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44話 決断の時へ

last update Last Updated: 2025-05-24 20:45:09

 理人たちは無事に回復処理を施す装置を無事に持ち帰る事が出来た。

理人と隆太は軽い低体温症を患っていたが命にかかわるほどの症状では無かったようですぐに回復した。

 理人の計算上では二人を別々に装置に入れ1日に1度の処置を施し続ければ普通の生活を問題なくできる状態を維持できるはずである。

 ユウキとミナを別々に装置に入れ電源を入れ回復処置を始める。

その場にいるもの全員がただ彼らを見つめ続ける。

理緒と隆太はけして彼らを目をそらさず見続け見守り続ける。美亜は両手を握りしめ祈り続ける。

理人とミディールは装置に繋がれたPCを操作し続け彼らの容態と装置の制御をし続ける。

 二人の身体の修復を何時間もかけてし続ける。けして気を許す事は出来ない。一つでも異常を見落とせばそれが彼らにとって重大な疾患に繋がる。

 二人には幸せになってほしい。本来あったであろう人生を、取り戻してほしい。今度こそ二人が幸せる時間を人生を自分たちが作って見せる。理人とミディールはその想いを込めるようにキーボウド打ち続ける。

 ぴーぴ!!!!!けたたましくエラー音が鳴りだす。

 「まずいこれは...」

ミナの方で回復を処置する部分に問題が起きた。

 どうすればいい.....どうすれば

 理人は画面上を目線で一つ一つ確認し異常個所を探していく。

二人の身体のデーター全く同じだ。今問題が起きているのはミナちゃんの方だつまりユウキ君のデーターと重ね合わせ見て違う部分があればそれがエラー箇所だ。

 「ミディールさんはユウキ君の方の容態を維持させてくれミナちゃんの方は俺が何とかする」

理人はユウキとミナの身体のデーターを一つ一つくまなく確認していく。

データーの違う個所を見つけすぐに処理を修正をしていく。

しかし違う部分を治し修正するとまた違う部分でエラーが生じ何度もデーターを治し修正を施す。この攻防が幾度ともなく続く。

 「くそ!!どうすればいい!!!このままでは埒が明かない!!」

このままでは二人の体力が持たない。すこしでも一分でも早く正常の状態にしなければならない。

 考えろ!!考えるんだどうすればいいんだどうすれば直せる。直すんだ正常に!!!二人の身体のデーターを

この時理人は那智から言われたある言葉を思い出した。

 「壊れたものは直せないそれは死を意味する事だからだ。全ての物理的な物質にとって直す
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  • Never Islan   47話 「在るべき場所へ」

     人にとってあるべき場所とは心から帰りたい場所と思える場所だ。 今回のこの事件の結末はけして奇跡ではないのだ。 二人が心からそう願い思ったからこそ迎えた結末だ。 俺はその手助けをしただけ。  だけどこの二人を見ているとうらやましくなる。 ................................................. 外は先ほどまでの天候が嘘のように変貌し空は夜空が多い尽くしている。 ユウキとミナの容態が快調したことに皆が安堵し彼らにささやきかける中、理人は一人外に出て覆い尽くさんばかりの夜空を見上げながら座り込み物思いにふける形で沈み込んでしまった。 彼は...いい兄だな。妹のためにあんなにまでやれて。...................... 俺は............. 「俺はどうだったのかな......あいつにとって」 思わず口から吐き出すように言葉が出てしまった。 「それって...美香さんのこと?」 いつの間にか理人の後ろに美亜が立っていた。  まったく気配を感じなかったどれくらい前からいたのだろうか? 「あの二人を見ているとね。思うんだよ。俺はあいつにとってこんなんで良かったのかなと。俺なんかのために.........行方不明になって.....」 .............. 「世間から見たら良い兄ではなかったな俺は.....あいつとの関係は一線を越えてしまっていた。そうするしかなかったと言ってしまえばそれで終わりだが」 「私は.....代わりなの?あの人の」 「はっきりと言えないけど........」 理人の心の中で色々な物が交差していく。美香への気持ちと美亜への想いが 「言葉に形として出すならば......なぜかわからないけど君の心の中に感じる。あいつと同じもの。同じだけどけして変わりではない代わりじゃないものを」 二人が物思いに話している一方で屋敷の中ではユウキとミナに関しての今後の方針が話されていた 「私は二人の事はしばらくはこの屋敷に...理人さんに任せるべきだと思う。この子たちを引取るのは今はまだ無理だと思う。二人の容態が安定するまでは.....」 兌夫、市長がそういうのは仕方がない事だ。ユウキとミナは今後もしばらくは回復処理を施す装置を定期的に使用しなければならない

  • Never Islan   46.5話 得体のしれない黒い影

    私たちは観測者理唖、彼女が自死を選びグロウベルグシステムを使用したことを軍上層部に報告。彼女のこの行動は軍事組織全体にすぐさま情報が広がり激震が走る事となった。 私たち三人は彼女の遺体の第一発見者ということで軍内部から数日間厳重な監視が着くこととなった。ここからの話は軍上層部に報告する数日前の話である。このまま上層部に報告すれば我々は何かと疑われそれどころがせっかく手に入れたの装置も押収されてしまう。 そこである信用できる人物に事情を話し味方に引き入れる事でこの装置を守る事にしたのである。その人物は須野原 粂盤(すのはらじょうばん)軍事管轄部のプログラマーである。なお防衛義務上により少尉の階級を与えられている。理唖とは組織上では同僚に当たる あの日私たちは未だ装置の中で横たわっている彼女の亡骸を粂盤に対面させた 「なんでこんな事に。なぜ彼女がこれを使う意味が分からない」粂盤は両手を思いっきり握りしめる。爪が手のひらに爪が刺さり血が滴れ落ちる。 ミィルは自分たちの今までの行動を粂盤に説明する。「意味が分からないそれが本当なら理唖は君たちを止めるべき立場だ。なぜ彼女がこの装置を使った。そしてなぜこの座標に転移した。まったくもって理解できない」 「私が思うにはたぶん私のお母さんの死があの島の計画に絡んでいて観測者として見過ごせなかったのだと思う」 「それが本当だとしてなぜなぜ俺に何も話さなかった」 「すまない...俺たちがもっと早くここついていれば止める事が出来たはずだ」 「彼女の考え方が俺には理解できなかったのか?それとも....ほんとに無力だよ俺は」 「粂盤?」ミィルは粂盤のその言葉に二人の関係に何か大きな物があると思えたのだが何も答える事が出来なかった。 「装置は4つある一つは理唖の遺品としておまえにやる。ただしそのかわりしばらくこの装置を預かってくれ俺たちこの出来事を軍上層部に報告する。上層部は俺たちを必ず厳重な監視下に置くはずだそうなったらこの装置は押収されちまう。申し訳ないがそれだけは避けたい。この装置を守ってくれ」 「私たちは彼女が転移した世界でかならず彼女の元に行き全ての真相を暴くつもりだわだからお願い」 「あの世界には理唖だけでなく私の友人もいるんだたのむ..........むしの言い話だと思うが......」

  • Never Islan   45話 There is absolutely no one who notices who I am.

     warn. I can't understand this story at all.In a sense, the person who noticed the existence of the observer touches a part of the truth. Still, it's totally pointless now.There is no point in touching a part of the truth. If that's fine, please watch this story. You're watching, right?You're really watching it, right?  Then do as you like. へぇー、なかなかやるじゃないか彼。人類にとっていままで誰にも到達する事ができなかった世界の心理にたどり着くなんて意外だったよしかもホムンクルス生体の自壊を止めることまで成功するなんてさ。 彼らの側にいれば何か面白いものが見れるかと思ってはいたけどこれは予想以上だよ。引き続き彼らと共に行動をともにするのもそう悪くはないかもしれないね。  彼女たちがこの世界に来ようとしていたことは予想はしていた。だからあえて私はあの三人よりも先にこの世界に転移した。 私はこの世界での時間線で今から7年前に4才の姿で転移し自分の正体がばれない様に自分が孤児だという事を演じ阿久津那智の近くで生活し身近な物たちの側で自らの孤児としての役回りを演じて切って見せる事に成功した。観測者として那智と身近にいる者たちを監視するために。 そして今現在、監視の対象の中心人物は那智から理人に移り変わった。あの女まさか私が観測者であるなんて予想だにもしなかっただろう。しかも私は知っている。あの女は今現在もどこかで生きており、那智の「死」はすべて偽造であったことを。そしてあの女は陰で何やらやかましいことをしでかそうとしていることを あの女の動きも気にはなるところだが今後の理人の動きの方が重要だ。明らかに彼自身の内に秘めた能力が開花し始めている。もしかしたらこれは化けるかもしれない。 まさかと思うけど私の正体がだれなのか絶対に誰もわかるはずがないだろうんふふふふ.....これはなかなか面白く

  • Never Islan   44話 決断の時へ

     理人たちは無事に回復処理を施す装置を無事に持ち帰る事が出来た。理人と隆太は軽い低体温症を患っていたが命にかかわるほどの症状では無かったようですぐに回復した。 理人の計算上では二人を別々に装置に入れ1日に1度の処置を施し続ければ普通の生活を問題なくできる状態を維持できるはずである。 ユウキとミナを別々に装置に入れ電源を入れ回復処置を始める。その場にいるもの全員がただ彼らを見つめ続ける。理緒と隆太はけして彼らを目をそらさず見続け見守り続ける。美亜は両手を握りしめ祈り続ける。理人とミディールは装置に繋がれたPCを操作し続け彼らの容態と装置の制御をし続ける。 二人の身体の修復を何時間もかけてし続ける。けして気を許す事は出来ない。一つでも異常を見落とせばそれが彼らにとって重大な疾患に繋がる。 二人には幸せになってほしい。本来あったであろう人生を、取り戻してほしい。今度こそ二人が幸せる時間を人生を自分たちが作って見せる。理人とミディールはその想いを込めるようにキーボウド打ち続ける。 ぴーぴ!!!!!けたたましくエラー音が鳴りだす。  「まずいこれは...」ミナの方で回復を処置する部分に問題が起きた。 どうすればいい.....どうすれば 理人は画面上を目線で一つ一つ確認し異常個所を探していく。二人の身体のデーター全く同じだ。今問題が起きているのはミナちゃんの方だつまりユウキ君のデーターと重ね合わせ見て違う部分があればそれがエラー箇所だ。 「ミディールさんはユウキ君の方の容態を維持させてくれミナちゃんの方は俺が何とかする」理人はユウキとミナの身体のデーターを一つ一つくまなく確認していく。データーの違う個所を見つけすぐに処理を修正をしていく。しかし違う部分を治し修正するとまた違う部分でエラーが生じ何度もデーターを治し修正を施す。この攻防が幾度ともなく続く。 「くそ!!どうすればいい!!!このままでは埒が明かない!!」このままでは二人の体力が持たない。すこしでも一分でも早く正常の状態にしなければならない。 考えろ!!考えるんだどうすればいいんだどうすれば直せる。直すんだ正常に!!!二人の身体のデーターをこの時理人は那智から言われたある言葉を思い出した。 「壊れたものは直せないそれは死を意味する事だからだ。全ての物理的な物質にとって直す

  • Never Islan   43.5話 観測者

     私は、決めた。彼らと共に美香ちゃんのいる世界に行く事を。それが今の自分の「死」を意味する事だとしても。彼女の尊厳を破る行為をしたことに本人に直接謝罪をしたいと言う気持ちもあるがそれだけでなくにより彼女のその心情に触れたことで友達になりたいと言う気持ちが芽生えたこと。 そして.....自分の母親があの計画に関わっておりその責任者である阿久津那智が美香がいるあの世界にいることは間違いわなく。そして母の死に何かしら関わりがある。 しかしあちらの世界に行くためには問題が山済みである3人分のグロベルクシステムの装置の入手である。通常の装置なら問題ないのだが。グロウダイバーとして転移する人間の所持品もひっくるめて処理する装置は非常に高価なものである入手は困難である。 「さてどうする....」 「言っとくが俺はそこまで貯金はないぜ」 「......私の母さんが残していった遺産金をつかっても一人分にも満たないわ....なんせ一つの装置で5000万はかかるもの」 「ミィルたしか君の同僚にグロウベルグシステムの観測者がいたはずだ」甘夏目のいう観測者とはグロウベルグシステムの管理とグロウダイバーたちが関わったことで新たにひろがっていく並行世界を管理観測する人間の事である。 「理唖(りあ)に頼むって言うの?あの装置を使う事はまぎれもなく死を意味するのよ?さすがに彼女に頼むのは無理があるわ。」 ミィルにとって理唖(りあ)という女性は家族同然の存在である。理唖はミィルの母親の友人であり元同僚でもある彼女が亡くなった後ミィルの身元引受人として保護し共に生活をしさらに研究者としての支援もしていた。 幼くして母親を亡くしたミィルにとってはもう一人の母親であり仕事上での同僚であり良き理解者でもあった 「これから私たちのする行為はひととして自殺に等しい行為。それの手助けをしろなどと口が裂けても言えないわ」 「ミィル、そう言うがあの人に黙って行くつもりかい?」甘夏目のいう事はもっともである。どのみち彼女には話さなければならない。 「なぁ、こういう考え方はどうだどうせなら味方は多いいほうが良いだろ?おまえが彼女に話して味方につけるんだ。どのみち彼女に話す事は避けて通れないんだぜ」 「新田の言うとおりだと思う私たちには少しでも味方が必要だ。なんだったら彼女も一緒につい

  • Never Islan   43話 退かぬ心

    ふざけるなふざけるなふざけな!!!何で二人がこんな目に合わなければならないの!! 彼女は生きる意思を無くしてしまった。茫然自失となりただ目的もなく街を徘徊する毎日を送っていた。そして彼女はいつの間にかホームレスのような状態になっていた。 夫と娘と過ごした記憶と思い出だけが彼女の拠り所であった。凍てつく吹雪が彼女を襲う。 ああ....やっとこれで死ねる二人に会える。 「何だいあんたまるでもうすぐ死ぬような面っぷりだね」虫の息の状態のミディールの前に一人の老婆が現れ彼女に手を差し伸べる。 「なんて顔しているんだい(.................)私は声を出すことが出来なかった 「歩く力は残っているかい?」(...............................) 「そうかいなら連れの者に頼んで運ぶとしようか」そういうと老婆は彼女の両手を包み込むように握りしめささやく 「私の名は阿久津那智(あくつなち)この島の統治者にしてひとりの研究者。皆は賢者とよんでいるようだがね」(.....................!)ミディールはとめどなく涙があふれる  「どうしてそこまで追い詰められたかはわからないが私でよければ力になろう。」私は彼女の差し伸べた手を掴んだ。そして私は彼女の元で様々な事を学び研究者の道に進んだ  彼女の元で私は人としての禁断の領域。死んだ人間をよみがえらせる装置を-------。完成まであと一歩のところまで来ていた。 「なぜなの?.....あと少しなのに形成された身体が一定の時間が経つと細胞が崩壊していく。」 「これでは駄目だねたとえ身体がちゃんと出来上がっても望んだ人間の記憶を入れただけの人形だよ」「それでもあんたは研究者としては成功したも当然だよ」 「これのどこが成功だと言うの?私は何のためにここまでやって来たと思っているの?夫と娘を取り戻すために...私は....」 「いいかい良くお聞きミディール、あんたは家族を生きらせようと研究と実験を積み重ねていった結果とんでもない領域に知らず知らずに手を出しそれを掴んでしまったのだよ。「あんたは失敗どころか成功以上の成果をなしどけたのだよいいかい良くお聞き。あんたが踏み込んだ領域中世時代のヨーロッパで盛んに扱われていたロストテクノロジ

  • Never Islan   42話 Sin and Punishment

    天候は先ほどよりはマシなくらいに落ち着きつつあった。雪が舞う空に虹色に輝くオーロラが空をおおいつくす。...................... 市長は無言でそのオーロラをしばらく見つめていた。オーロラが消えると市長は無言で研究施設に入っていく。 今の天候ならスリップなど起きずに無事に彼の屋敷に付くことはできるであろう。そもそも一度通ってきた道だ。再び雪が多い尽くす前に車を飛ばせばいいだけだ。 市長は理人と隆太を車の座席にすわらせシートベルトで固定する。施設に置いてあった毛布を彼らにかぶせた後車のエンジンをかける。..............................彼は無言のまま車をすっ飛ばし先を急いだ。------------------------------------------------------------- 「ミディールさん、娘さんが亡くなってもうどれくらいたつ?」「もう8年も経つわ。あの子が亡くなった後にこの装置の開発に私は没頭した。」 「まさか.......その装置が...」ミディールの目には市長の顔は見ようにも青ざめたようにも見えた「わたしはね彼がしたことはどうしても間違っているとは思えないのだよ。あなたが娘さんを求めたようにね」 「私もそれは同意見。何が間違っているか正解かなんて誰かが決めて良いわけがないわ。それを決めるのはその後の行動と結果だけがものを言うのよ。これが罪などと誰にも言わせない。」...................... 「背負わせてくれと言ったのに......」「市長?」----------------------------------------------------------------「あら、ミナちゃん?目が覚めたの?」容態が安定しつつあるらしくミナの意識が回復したようだ。 「良かったわ。意識が戻って、だけどまだ安心してわダメ。あなた達がその装置から出たらまたすぐに容態が悪化する。申し訳ないけどもうしばらく辛抱してね」 「私死ぬの?」 「何バカなこと言ってるの?そんな事私が絶対させないわよ」「あなたのためにお兄さんがどれだけ苦労したと思っているの?そんな事絶対に言ってはダメ。いい?約束よ?」ミディールは自身の娘とミナを重ね合わせて見ていた。

  • Never Islan   41話 思いやり

    理人と隆太は市長と合流しあの研究施設に車で向かっていた。前回は徒歩で歩いていたが今回は車での移動なため多少の心の余裕がある。しかし楽観はできない。ユウキとミナの容態がいつ、急変するかわからない。とにかく急ぐことに越したことは無いのだ。 ドン! 何かが衝突したような音が走り車中にいきなり衝撃が走った。 「何が起きた?」 理人たちが車から出てると前のタイヤの二つが雪に完全に埋もれている光景をまのあたりにする。どうやら雪のせいでスリップを起こしてしまっているようだ「市長さん。俺が後ろから押しますからアクセルを全開にしてください」 「わかったやってみよう」理人と隆太は車を後ろから思いっきり押し市長はアクセルを全力で前回にする。車は少しずつ前に進み何とかスリップの状態から抜ける事が出来た また天候が悪化し始めているこのままでは更に酷い状況になるかもしれない。理人は目の前ある廃家を目にする。 「このままでは危険だ天候がすこしでも収まるまであの廃家でやり過ごすしかない。」これは仕方のない決断だこのままでは自分たちの命も危険にさらされることになる。苦渋の決断だ。彼らをどうにかして助けてあげたいがどうにもならない状態だ。天に祈るしかないとはこういう事である。 3人は廃家の中で天候が少しでも緩やかになるのを待つことにする。 理人は狭い廃家のなかでユウキの今の心境について思いつめていた。彼は本当に辛かったんだな。妹がこんな風になって。ずっと妹の事だけを想い続けて生きて来たんだな。 理人は自分自身とユウキの今までの歩んできた道筋を照らし合わせて見ていた。 あんな装置があったら間違いなく俺は彼と同じ選択をしていたと思う。でも...........。やはり一度死ぬことには変わりはないんだ。 彼は俺と同じだ。大切な人を愛する人の死をまじかで目のあたりにした。俺と彼の選んだ選択は全く同じだ。 違うのは今その大切な存在が目の前にいるだけ。理人は決心した。 「いつ天候が回復するかもわからない。ここからは徒歩で行く」理人の決意は既に決まっていた。 「だけどよぉ例えあの研究所についてもあんなデカい装置をどうするんだよ」隆太のいう事はもっともである。3人がかりで運ぶにせよこの猛吹雪の中では命にかかわるし装置が壊れてしまっては元もこうもない。 

  • Never Islan   40話 With the real you

    「死んだ人はその時点で歳をとる事もなくそのまま時間が止まる。生きている人は時間が動きつづけ死んだ人と時間が離れ歳を取っていく。それが時間を追うごとに積み重ねていく事で人は肌で実感する。それを積み重ねていく事でより重みを感じていく。それが辛くて悲しいことだという事がより重みを実感させていく」  そうだ。あの人の言うとおりだ。だから僕は耐えきれなかった。その負の積み重ねからどうしても抜け出したかった。 あの頃が懐かしい。どんなにひもじい思いをしても二人で過ごしたあの日々が。ユウキは装置の中でミナの身たちを抱きしめながら物思いに更けていた。    ------。「私に何かあったら代わりにあなたが守ってあげて」母さんごめんよ。僕は選択を間違ってしまったのかもしれない。ここにいるのは僕の「ミナ」であって母さんの守りたかった「ミナ」ではない。 ーーーーーーーーー。「彼女に素敵な名前をありがとう」そうか僕はまた同じ名前を付けたんだな。この子にも...僕は....ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。「お父さんを恨まないで」--------------------------------------------------------------------。  恨めるはずないだろう。僕にとってのミナにたいする愛情が本物であるように父さんの母さんにたいする愛情は本物だった。 だから僕は父も母も恨まない。いや恨めないんだ。この子は間違いなくミナだ。僕の大好きな妹のミナだ。ミナの遺骨と髪の毛を素体にしてミナを蘇生させた。  僕はそう思っていた。でも実際は違ったようだ。あの頃のミナの記憶をもった別人のミナを僕は作ってしまった。この子は........真実を知ったら....僕の事をどう思うだろうか?ばれなきゃいいのか?いいやそんな事許されるはずがない。僕の勝手な気持ちでどうにかしてはダメだ。 この人たちは僕たちを助けようとしてくれている。僕は彼らの気持ちを裏切ってはダメだ。僕たちの容態が安定したらこの子に。ミナに全てを打ち明けようと思う。僕の勝手な気持ちで思い通りの人形のようにしてはダメなのだから。....................... ユウキは装置の中で自分の胸の中で眠っているミナの顔を見て一人ぼっちだった

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